死ぬ前にしたい10のことMy life without me切ない映画だった。 基本的に動物、子供、親子、家族が出てくると、私の涙腺は 狂ってしまう傾向があるのだけど、 この映画はそのうちの3つを満たしている上、私の一番の泣き所である 「子供を残して死ななくてはならない」ことが全面に押し出されている。 淡々とした口調で抑えた映像になっているのだけど、 それがまたポイントポイントで ぐっとくるものがあった。 自分の余命が2・3ヶ月だと分かった後、23歳の主人公は、 これから自分がやりたいことやらなくてはならないことを 箇条書きにして10個書き上げる。 心を整理するために、メモを取るという行為は役に立つものだ。 頭で考えているだけでは人は今ひとつ整理が出来ない。 何か形にして吐露しておかないといつまでも頭の中で堂々巡りをしてしまい、 無駄な時間を過ごしかねない。 主人公のアンは死ぬための準備をそこから始めた。 10個の条件の中には 「オット以外の男性とつき合ってみる」というのがあって、 実際に彼女は偶然であった男と恋に落ちる。 この辺は自分に置き換えるとピッタリとした疑似体験は出来なかったけれど、 この作品中のアンにとっては必要なことだったのだろうと思えた。 17歳の時、初めてキスをした相手の子供を産み、 それからずっと良い妻、良い母であった彼女に 死ぬ間際に置いてまで、そういう欲望を持つなという方が酷だ。 見終わって感じたことは、人により、死を意識した時メモする10箇条は 当然のことだけど、10人10色なんだろうなということだ。 当然、私もアンとは違うものになると思う。 この作品を見終わった時、私は自分の子供を置いて行かなくてはならない時の 私を想像して、文字通り号泣した。 願わくば、そのようなことがないように、祈りながら。 ジャンル別一覧
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